【失敗しない】保険代理店の事業承継で注意すべきこと

【失敗しない】保険代理店の事業承継で注意すべきこと

「自分が引退した後も、この代理店を残したい」「子どもや従業員に引き継ぎたいが、何から始めればよいか分からない」と悩んでいないでしょうか。

保険代理店の事業承継は、一般的な会社の代表交代と同じ感覚で進めると、思わぬ問題が生じる可能性があります。株式や経営権を引き継ぐだけではなく、保険会社との委託関係、保険募集人の体制、顧客情報の管理、既契約者への対応、従業員の雇用など、保険代理店ならではの確認事項が多いためです。

さらに、事業承継の進め方が顧客に十分伝わらなければ、「担当者が変わっても大丈夫なのか」「今後も相談できるのか」という不安を与え、契約の見直しや他代理店への流出につながることもあります。

保険代理店の事業承継を成功させるには、経営・法務・税務・保険実務・顧客コミュニケーションを分けず、一体的に設計することが重要です。

本記事では、後継者問題や将来の引退を考え始めた保険代理店経営者に向けて、事業承継の方法、注意すべきポイント、失敗しやすいケース、準備の手順を解説します。後半では、顧客や取引先の不安を抑えるためのホームページ活用についても紹介します。

保険代理店の事業承継は早めの準備が重要

保険代理店の事業承継は、引退時期が迫ってからではなく、経営者が元気に活動できる段階で準備を始めることが重要です。

なぜなら、事業承継で引き継ぐものは、会社の株式や事務所、売上だけではないからです。経営者が長年築いてきた顧客との信頼関係、保険会社との関係、従業員の経験、事故対応のノウハウ、地域での評判など、目に見えにくい資産も承継しなければなりません。

後継者を決めたとしても、経営判断や顧客対応を短期間で身につけることは困難です。特に、経営者自身が主要顧客を担当し、問い合わせや事故相談が経営者個人に集中している代理店では、名義上の代表者を変更しただけでは円滑に引き継げません。

事業承継では、少なくとも次のような準備が必要になります。

  • 後継者候補の選定と育成
  • 株式や事業用資産の整理
  • 保険会社との委託契約に関する確認
  • 保険募集人の登録や体制の確認
  • 顧客情報・契約情報の管理方法の整理
  • 従業員の雇用条件や役割の見直し
  • 既契約者への案内方法の設計
  • ホームページや各種アカウントの引き継ぎ
  • 税務・法務上の手続きの確認

これらを一度に進めようとすると、通常業務に支障が出るだけでなく、確認漏れも発生しやすくなります。

そのため、具体的な引退日が決まっていない場合でも、まずは現状を整理し、どのような承継方法が考えられるかを検討することが大切です。早く動き始めるほど、後継者の選択肢を広げ、顧客や従業員への影響を抑えやすくなります。

保険代理店の事業承継には主に3つの方法がある

保険代理店の事業承継は、大きく分けて「親族内承継」「従業員承継」「M&Aによる第三者承継」の3つです。

中小企業庁も、事業承継の類型として、親族内承継、従業員承継、M&Aによる社外への引き継ぎを示しています。

どの方法が最適かは、経営者の希望だけでなく、候補者の能力、株式取得のための資金、保険会社との関係、従業員の意向、顧客への影響などを踏まえて判断する必要があります。

親族内承継

親族内承継は、子どもや親族に代理店経営を引き継ぐ方法です。

以前から後継者候補が決まっている場合は、時間をかけて育成しやすく、顧客や従業員からも受け入れられやすい傾向があります。株式や資産についても、贈与や相続を含めて計画的に移転できます。

一方で、「親族だから継いでくれるだろう」と考えて準備を進めるのは危険です。本人に経営の意思がなければ承継は成立しません。また、保険の営業経験があっても、経営管理、採用、資金繰り、コンプライアンス対応まで担えるとは限りません。

親族内承継を検討する場合は、早い段階で本人の意思を確認し、段階的に次の役割を任せる必要があります。

  • 主要顧客への同行
  • 従業員との面談
  • 保険会社との打ち合わせ
  • 採用や評価への参加
  • 売上・経費・利益の管理
  • 経営計画の作成
  • コンプライアンス体制の運用

親族関係と経営上の評価を混同せず、後継者として必要な能力を客観的に確認することが重要です。

従業員承継

従業員承継は、役員や営業担当者など、社内で経験を積んだ人材に経営を引き継ぐ方法です。

長く勤務している従業員であれば、既存顧客、社内業務、取扱商品、保険会社との関係を理解しています。そのため、顧客対応の継続性を保ちやすい点がメリットです。

ただし、優秀な営業担当者が優秀な経営者になるとは限りません。営業成績が高くても、資金繰りや人材管理、事業計画の策定、組織全体の意思決定を苦手とするケースがあります。

さらに、株式を取得するための資金が後継者にないことも少なくありません。経営者本人、金融機関、税理士、弁護士などと連携し、株式や資産をどのように移転するかを検討する必要があります。

従業員承継では、単に「次の社長」を指名するのではなく、次の点を確認しましょう。

  • 本人に経営を引き受ける意思があるか
  • 家族の理解を得られているか
  • 経営者として必要な資質があるか
  • 株式取得の資金を用意できるか
  • 他の従業員が納得できる人選か
  • 現経営者が権限を段階的に移譲できるか

特に重要なのは、現経営者が実際に権限を手放すことです。後継者を指名しても、契約や採用、経費、顧客対応の判断をすべて現経営者が続けていれば、後継者は育ちません。

M&Aによる第三者承継

親族や従業員に適任者がいない場合は、他の保険代理店や企業への譲渡を検討する方法があります。

M&Aを活用すれば、廃業を避け、顧客の契約管理や従業員の雇用を引き継げる可能性があります。また、現経営者が株式や事業を譲渡し、対価を得られる場合もあります。

ただし、買い手が見つかれば必ず成功するわけではありません。

保険代理店の価値は、売上や利益だけでなく、顧客構成、契約の継続性、従業員の定着状況、業務品質、特定の経営者への依存度などによって左右されます。

たとえば、売上が高くても、ほとんどの顧客が代表者個人との関係で契約している場合、代表者の引退後に契約が維持されるとは限りません。また、顧客情報の管理が不十分であったり、業務手順が属人化していたりすると、買い手側のリスクが高くなります。

M&Aを選択肢に入れる場合も、売却直前ではなく、数年前から組織や顧客管理を整えておくことが重要です。

保険代理店の事業承継で注意すべき7つのこと

保険代理店の事業承継では、一般的な企業承継に加えて、保険募集業務の継続に関する確認が欠かせません。

特に注意したいのは、次の7項目です。

1.保険会社との委託契約を自己判断で引き継がない

保険代理店の事業承継で最初に確認したいのが、所属する保険会社との代理店委託契約です。

会社の株式や事業を後継者へ移したからといって、従来と同じ条件で委託関係を継続できるとは限りません。承継方法、法人格の変更、代表者の変更、事業譲渡の有無などによって、必要な確認や手続きが異なる可能性があります。

特に、個人代理店から法人へ移行する場合や、別法人へ事業を譲渡する場合は注意が必要です。

早い段階で所属保険会社へ相談し、次の事項を確認しましょう。

  • 委託契約を継続できる条件
  • 代表者変更時に必要な手続き
  • 法人変更や事業譲渡時の取り扱い
  • 保有契約の管理方法
  • 手数料や精算に関する取り扱い
  • 必要な教育・研修・審査
  • 顧客への案内に関するルール

保険会社ごとに運用が異なることもあるため、インターネット上の一般的な情報だけで判断せず、担当部署へ個別に確認することが大切です。

2.募集人登録と業務体制を確認する

後継者が保険代理店の経営を引き継いでも、必要な登録や要件を満たしていなければ、保険募集業務を適切に継続できません。

金融庁の監督指針では、特定保険募集人の登録事務について、保険業法に基づく登録申請などの確認事項が示されています。

事業承継では、代表者だけでなく、実際に募集業務へ関わる従業員も含め、登録状況や教育体制を確認する必要があります。

たとえば、現経営者しか対応できない手続きが残っていると、引退後の業務が止まる可能性があります。また、後継者の知識や経験が不足している状態で承継を急ぐと、顧客対応の品質低下や社内統制の不備につながります。

次のような業務を洗い出し、誰が担当できるかを明確にしましょう。

  • 新規契約の提案・手続き
  • 更新対応
  • 契約内容の変更
  • 事故受付
  • 苦情対応
  • 顧客への情報提供
  • 社内教育
  • コンプライアンス点検
  • 保険会社への報告

経営権だけでなく、日々の業務を継続できる体制まで引き継ぐことが必要です。

3.顧客情報を適切に管理する

保険代理店は、氏名、住所、連絡先、家族構成、資産状況、健康に関する情報など、取り扱いに注意が必要な顧客情報を保有しています。

事業承継の際には、顧客データを単純に後継者や譲受企業へ渡せばよいわけではありません。承継の形態や契約関係を踏まえ、個人情報保護や社内規程、保険会社のルールに沿って対応する必要があります。

特に注意したいのが、顧客情報が複数の場所に分散しているケースです。

  • 経営者個人のスマートフォン
  • 個人のメールアドレス
  • 紙の顧客台帳
  • Excelファイル
  • 名刺管理アプリ
  • LINEの個人アカウント
  • 社内共有されていないメモ

このような状態では、情報漏えいのリスクがあるだけでなく、後継者が顧客対応の経緯を把握できません。

事業承継を機に、顧客情報の保存場所、アクセス権限、更新ルール、退職者のアカウント管理などを整理しましょう。誰が経営者になっても同じ品質で顧客対応ができる状態をつくることが、事業の継続性を高めます。

4.顧客との信頼関係を段階的に引き継ぐ

保険代理店の事業承継で失敗しやすいのが、顧客への説明が遅れることです。

長年同じ経営者や担当者が対応してきた顧客にとって、代表者の交代は小さな出来事ではありません。突然、後継者から連絡が来ると、「これまで通り相談できるのか」「契約内容は把握されているのか」と不安を感じます。

特に、法人契約、大口顧客、複数世代にわたって取引している顧客は、時間をかけて引き継ぐ必要があります。

有効なのは、現経営者と後継者が一緒に顧客を訪問し、後継者の人柄や方針を直接伝える方法です。一度の挨拶で終わらせず、更新、事故対応、契約見直しなどの機会を通じて、徐々に後継者との接点を増やします。

顧客への案内では、次の内容を明確に伝えましょう。

  • いつから体制が変わるのか
  • なぜ承継するのか
  • 新しい代表者や担当者は誰か
  • 契約や補償に影響はあるのか
  • 相談窓口は変わるのか
  • これまでのサービスを継続できるのか
  • 今後どのような代理店を目指すのか

事業承継を「経営者側の都合」として伝えるのではなく、今後も安心して相談できる体制を整えるための取り組みとして説明することが重要です。

5.経営者個人に依存した業務を減らす

事業承継を難しくする大きな原因が、経営者への過度な依存です。

「重要顧客はすべて社長が担当している」「保険会社との連絡は社長しか分からない」「売上や経費を社長だけが管理している」という状態では、後継者が決まっても事業を円滑に引き継げません。

経営者が突然動けなくなった場合、社内の誰も判断できず、顧客対応が止まる恐れもあります。

まずは、経営者が行っている業務を書き出し、次の3つに分けます。

  • 後継者へ移す業務
  • 従業員へ分担する業務
  • システム化・外注化する業務

そのうえで、業務手順書、顧客対応履歴、年間スケジュール、緊急時の対応方法などを整備します。

事業承継の準備は、単なる引退準備ではありません。属人化を減らし、代理店全体の業務品質を高める機会でもあります。

6.株式・資産・借入金を整理する

法人の保険代理店では、経営権と株式の承継を切り離して考えないことが重要です。

後継者を代表取締役にしても、現経営者が株式の大半を保有したままであれば、重要な意思決定に影響が残ります。反対に、株式を一度に移転すると、後継者の資金負担や税負担が大きくなる可能性があります。

また、事務所、車両、パソコン、電話番号、ドメイン、商標、営業権などが、会社名義なのか経営者個人名義なのかも確認が必要です。

個人保証付きの借入金がある場合は、金融機関との調整も欠かせません。株式評価、贈与、相続、譲渡に関する税務上の判断については、税理士などの専門家へ相談しましょう。

確認すべき項目には、次のようなものがあります。

  • 株主構成
  • 株式の評価額
  • 事業用資産の名義
  • 経営者から会社への貸付金
  • 会社から経営者への貸付金
  • 借入金と個人保証
  • 退職金の支給計画
  • 相続人との調整
  • 譲渡価格の算定

数字の整理を後回しにすると、後継者が決まった後に条件面で対立することがあります。承継方針を固める前に、会社と個人の資産・負債を明確にしておきましょう。

7.従業員への説明を後回しにしない

事業承継の情報を経営者と後継者だけで抱え込むと、従業員の不安が大きくなります。

従業員は、代表者が変わることで、給与、雇用、評価制度、勤務地、担当業務などがどうなるのかを心配します。M&Aの場合は、会社名や組織体制が変わるのではないかと考える人もいるでしょう。

説明が不十分な状態で噂が広がると、中心的な従業員が退職する恐れがあります。主要な営業担当者が離職すれば、その担当者を信頼している顧客まで流出しかねません。

ただし、検討初期からすべての情報を公開すればよいわけではありません。交渉中の内容や個人情報など、慎重に扱うべき情報もあります。

重要なのは、説明する時期と範囲を計画し、決定事項と未決定事項を分けて伝えることです。

  • 承継を検討している背景
  • 後継者を選んだ理由
  • 今後のスケジュール
  • 従業員の雇用や待遇への影響
  • 新体制で期待する役割
  • 顧客への案内方法
  • 質問や不安を相談できる窓口

従業員を単なる引き継ぎ対象とせず、新体制を一緒につくる当事者として扱うことが、組織の安定につながります。

保険代理店の事業承継でよくある失敗

事業承継では、後継者が決まった段階で安心してしまうケースがあります。しかし、本当に難しいのは、決定後に経営・業務・顧客関係を移していく過程です。

ここでは、保険代理店で起こりやすい失敗を紹介します。

後継者の育成を始めるのが遅い

引退直前になってから後継者へ経営を任せようとしても、十分な経験を積ませることはできません。

顧客対応や商品知識だけでなく、採用、評価、資金管理、保険会社との交渉、苦情対応など、経営者として学ぶべきことは多岐にわたります。

現経営者が元気なうちに、会議への参加、決裁権限の移譲、主要顧客の同行などを段階的に進める必要があります。

名義だけを変更して実権を渡さない

後継者を代表者にした後も、現経営者がすべての意思決定を続けるケースがあります。

これでは、後継者が経営経験を積めないだけでなく、従業員も誰の指示に従えばよいか分かりません。後継者の提案を現経営者が頻繁に覆せば、社内での信頼も築けなくなります。

承継期間中は、金額や業務分野ごとに決裁権限を整理し、後継者が自分で判断できる範囲を広げましょう。

顧客への連絡が書面だけで終わる

代表者変更の案内状を一度送るだけでは、顧客の不安を解消できないことがあります。

特に長年の顧客は、契約そのものだけでなく、担当者との人間関係に価値を感じています。書面に加えて、訪問、電話、オンライン面談、ホームページでの発信などを組み合わせることが大切です。

Webサイトやデジタル資産を引き継げない

見落とされやすいのが、ホームページやデジタルアカウントの承継です。

ホームページの管理会社、サーバー、ドメイン、メール、Googleビジネスプロフィール、アクセス解析、広告、SNSなどが経営者個人の名義になっていると、承継後に更新やログインができなくなる場合があります。

確認したいデジタル資産は次の通りです。

  • ドメイン
  • レンタルサーバー
  • ホームページ管理画面
  • 会社のメールアドレス
  • Googleビジネスプロフィール
  • Googleアナリティクス
  • Googleサーチコンソール
  • Web広告アカウント
  • LINE公式アカウント
  • SNSアカウント
  • 写真・ロゴ・文章などの制作データ

IDとパスワードを一覧にするだけでなく、契約名義、支払方法、管理権限も確認しましょう。

失敗を防ぐための事業承継の進め方

保険代理店の事業承継は、複数の課題を同時に処理するのではなく、順序を決めて進めることが大切です。

現状を見える化する

最初に行うべきことは、代理店の現状把握です。

売上や利益だけではなく、顧客、従業員、業務、契約、資産、Web環境まで整理します。

  • 顧客数と契約構成
  • 主要顧客への売上依存度
  • 経営者が担当する顧客の割合
  • 従業員の年齢・役割・資格
  • 保険会社別の取扱状況
  • 業務手順と管理方法
  • 株主構成と資産状況
  • 借入金と個人保証
  • ホームページやアカウントの管理状況

現状を可視化すると、「誰に引き継ぐか」だけでなく、「何を整えてから引き継ぐべきか」が分かります。

承継方法と期限を決める

次に、親族内承継、従業員承継、M&Aのどれを中心に検討するかを決めます。

候補者がいる場合でも、本人の意思や能力、資金面を確認するまでは確定と考えないほうが安全です。第一候補での承継が難しかった場合に備え、別の選択肢も検討しておきましょう。

また、「いつか引退する」という曖昧な計画では準備が進みません。

  • 後継者を決める時期
  • 育成を開始する時期
  • 顧客への紹介を始める時期
  • 権限を移譲する時期
  • 株式や資産を移す時期
  • 代表者を変更する時期
  • 現経営者が完全に退く時期

このように段階ごとの期限を設定すると、必要な行動が明確になります。

専門家と関係者へ早めに相談する

保険代理店の事業承継は、経営者だけで完結できません。

所属保険会社をはじめ、承継方法に応じて次の専門家へ相談することが重要です。

  • 税理士
  • 弁護士
  • 司法書士
  • 社会保険労務士
  • 金融機関
  • M&A支援機関
  • 事業承継・引継ぎ支援センター
  • Web制作・マーケティング支援会社

中小企業庁は、親族内承継、従業員承継、M&Aの類型別に、事業承継の進め方や支援策を案内しています。補助金などの制度は公募時期や条件が変わるため、利用を検討する場合は最新情報を確認しましょう。

税務や法務については、個別の状況によって適切な対応が異なります。一般的な記事だけで判断せず、早めに専門家へ相談することが失敗を防ぎます。

事業承継ではホームページも重要な役割を持つ

保険代理店の事業承継では、手続きや資産移転だけでなく、顧客や地域に向けた情報発信も重要です。

ホームページは、既存顧客の不安を和らげ、新体制への信頼をつくるための重要な接点になります。

新しい経営体制を分かりやすく伝えられる

代表者が変わっても、ホームページが旧代表者の写真や挨拶のままでは、閲覧者に不安を与えます。

事業承継に合わせて、次の情報を更新しましょう。

  • 代表者挨拶
  • 新代表者のプロフィール
  • 事業承継の背景
  • 経営方針
  • スタッフ紹介
  • 会社概要
  • 相談窓口
  • 電話番号やメールアドレス
  • プライバシーポリシー

単に代表者名を書き換えるだけではなく、「これまで何を大切にしてきたか」「新体制でも何を守るのか」「今後どのような価値を提供するのか」を言葉にすることが大切です。

顧客離れを防ぐ安心材料になる

既存顧客は、代表者交代によってサービス品質が変わらないかを気にしています。

ホームページに新旧代表者の対談、承継の挨拶、今後の方針、よくある質問などを掲載すれば、電話や訪問だけでは伝えきれない情報を補足できます。

たとえば、次のような疑問に回答するページを用意すると効果的です。

  • 現在の契約はどうなるのか
  • 担当者は変わるのか
  • 事故時の連絡先は変わるのか
  • 店舗や営業時間は変わるのか
  • 相談できる保険商品は変わるのか
  • 旧代表者は今後も在籍するのか

顧客が不安に感じそうなことを先回りして伝えることで、問い合わせの混乱を抑えられます。

次世代の新規顧客を獲得する基盤になる

事業承継は、既存顧客を守るだけでなく、今後の集客方法を見直す機会でもあります。

現経営者の紹介や人脈を中心に顧客を獲得してきた代理店では、世代交代後に新規顧客が減る可能性があります。後継者が同じ人脈や営業方法をそのまま引き継げるとは限らないからです。

そこで、ホームページ、SEO、Googleビジネスプロフィール、LINE、SNSなどを整備し、経営者個人の人脈だけに依存しない集客経路をつくることが重要になります。

ただし、ホームページを新しくするだけで問い合わせが増えるわけではありません。

  • 誰から相談を受けたいのか
  • どの地域を対象にするのか
  • 法人と個人のどちらを重視するのか
  • 他代理店との違いは何か
  • どのような悩みを解決できるのか
  • 問い合わせまでの導線は分かりやすいか
  • 検索されるテーマの情報を発信できているか

こうした戦略を整理したうえで、サイト構成、文章、デザイン、SEO、問い合わせ導線を設計する必要があります。

保険代理店の事業承継に合わせてWebサイトを見直すポイント

事業承継を機にホームページをリニューアルする場合は、見た目を新しくするだけでなく、経営方針と集客設計を反映させることが重要です。

代理店の強みを言語化する

「地域密着」「丁寧な対応」「安心を提供」といった表現だけでは、他の保険代理店との違いが伝わりません。

強みを明確にするには、次のような具体的な情報を整理します。

  • どのような顧客から相談が多いか
  • 得意な保険分野は何か
  • どのような相談体制があるか
  • 事故時にどのような支援をしているか
  • 法人向けにどのような提案ができるか
  • 先代から受け継ぐ価値観は何か
  • 新代表者が強化したい領域は何か

たとえば、「地域密着の代理店」ではなく、「地域の中小企業に対し、事業内容や従業員構成まで確認したうえでリスクを整理する」と表現すれば、提供価値が具体的になります。

事業承継を成功させるには、先代の実績を残しながら、後継者が目指す将来像も示すことが大切です。

問い合わせまでの導線を整える

ホームページを訪問した人が相談したいと思っても、連絡方法が分かりにくければ離脱します。

特にスマートフォンでは、電話番号や問い合わせボタンの位置、入力フォームの項目数がコンバージョンに影響します。

確認したいポイントは次の通りです。

  • 電話ボタンが見つけやすいか
  • 営業時間が明記されているか
  • 問い合わせフォームが長すぎないか
  • 相談内容の選択肢が分かりやすいか
  • オンライン相談に対応しているか
  • LINEなど顧客に合った窓口があるか
  • 相談後の流れが説明されているか

「相談したら強く営業されるのではないか」という心理的な不安を抑えるため、相談の流れや対応方針も掲載するとよいでしょう。

SEOと継続的な情報発信を設計する

保険代理店のSEOでは、会社名だけでなく、地域名や顧客の悩みに関する検索から見つけてもらう必要があります。

たとえば、地域名と保険代理店を組み合わせたキーワードに加え、法人保険、火災保険、事業リスク、保険の見直しなど、代理店の得意分野に合わせた情報発信が考えられます。

ただし、検索順位だけを目的に記事を増やしても、問い合わせにつながるとは限りません。記事を読んだ後に、サービスページ、スタッフ紹介、相談窓口へ自然に進める導線が必要です。

ウェブソリでは、保険代理店を含む幅広い業種のホームページ制作と集客改善に関わってきました。保険代理店の地域SEOでは、「立川×保険代理店」で検索上位を獲得した実績があります。

重要なのは、SEOだけを独立して行うのではなく、代理店の強み、顧客の検索意図、サイト構成、問い合わせ導線まで一貫して設計することです。

事業承継を機に「選ばれ続ける代理店」へ変える

保険代理店の事業承継は、単に現経営者から後継者へ会社を渡す手続きではありません。

顧客との信頼関係、従業員の経験、保険会社との関係、業務ノウハウ、地域で築いた信用を、次の世代でも維持・発展させる取り組みです。

そのためには、次のポイントを押さえる必要があります。

  • 早い段階から承継準備を始める
  • 親族内承継・従業員承継・M&Aを比較する
  • 所属保険会社へ必要な手続きを確認する
  • 募集人登録や業務体制を整える
  • 顧客情報を適切に管理する
  • 顧客との関係を段階的に引き継ぐ
  • 経営者への依存を減らす
  • 株式・資産・借入金を整理する
  • 従業員へ適切な時期に説明する
  • Webサイトや各種アカウントも引き継ぐ

特に、事業承継後の顧客離れを防ぎ、新しい顧客を獲得していくには、情報発信の見直しが欠かせません。

ホームページは、作るだけでは成果が出ません。誰に何を伝えるかという戦略、情報を分かりやすく届ける構成、相談につなげる導線、検索から見つけてもらうSEO、公開後の運用まで一貫して取り組む必要があります。

ウェブソリでは、保険代理店のホームページ制作・リニューアルをはじめ、強みの言語化、サイト構成、導線設計、SEO、LINE活用など、制作から集客まで対応しています。

「事業承継に合わせてホームページを見直したい」「新代表者の方針が伝わるサイトにしたい」「先代の人脈に頼らない集客経路をつくりたい」とお考えの方は、お問い合わせフォームよりご相談ください。

まだ承継時期やリニューアル方針が決まっていない段階でも問題ありません。まずは現状の課題を整理するためのご相談だけでも承ります。無理な営業は行いませんので、安心してお問い合わせください。

この記事を書いた人

滝川 直人

滝川 直人

ウェブソリ代表 / Webマーケター
1993年生まれ、東京都江東区出身。慶應義塾大学経済学部を卒業後、三井住友海上あいおい生命保険株式会社にて累計100社以上の代理店様を担当。ソリシター・Webマーケターとしての経験と知見を基に、保険代理店様向けに「見込み客に選ばれる導線設計」と「成果につながる集客施策」を重視したホームページづくりを行っています。制作だけでなく、SEO対策やコンテンツ企画、広告運用など、マーケティング面のご相談もお気軽にどうぞ。